訪問看護でのスタートダッシュを切る!転職前に押さえたい知識について

目次

前提知識の多すぎる在宅医療業界

訪問看護は病院やクリニックとフィールドの異なる領域になります。

特性上、健康問題を抱えた様々な方の対応をする機会も多く、介入する疾患の種類も多岐に渡ります。

そのため入職後には、再学習が必要な知識がどんどん出てきます。

  • 経験した事のない疾患
  • 経験した事の無い治療・処置・ケア
  • 指定難病
  • 福祉制度
  • 保険制度
  • 生活保護
  • 地域特性

などなど。覚える事が非常に多く、どこから手をつけて良いのかわからない…というのは転職後のあるあるの一つです。

しかし、その中でも優先して学習した方が良い項目があります。

そこで今回は、、、

・なぜ転職前に学習しておくべきか?

・学習をすることによるメリットは何か?

について詳しく解説していきます。

学習しておくべきトピック

絶対に押さえておくべき重要項目。それは…

介護保険&医療保険  です!

今おそらく、ほとんどの方が

「今更保険の勉強…?」

「実務や看護のことじゃないのか…。」

と思い、ブラウザバックしようとしたのではないのでしょうか?ちょっとお待ちください!

実はこれ、患者さんにとっても、訪看にとっても、関連機関にとっても、とても重要な事なんです。

何故重要なのでしょうか?それには大きく分けて2つの理由があります・・・

なぜ医療保険と介護保険の勉強が大切なのか

理由は大きく分けて2つあります。

1. 「保険制度による制約を理解しておかないと、訪問が出来ない。」

訪問看護は正しく事業が行われるように、国によって制約が設けられています。

いくつかを簡単に解説すると言うと、、、

訪問看護の制約
・医師の指示書がないと訪問はできませんよ
・同日に2箇所の訪問看護ステーションが入るには条件がありますよ。
・〇〇なケースでは同日に○回以上訪問してはいけません。

上記以外にも様々な制約があります。制約を守らずに訪問をした場合・・・

条件や制約を満たさずに訪問を調整した結果…

・報酬が発生しない。もしくは減少する。

・利用者さんに多額の実費が発生する。

・他のサービスが入れなくなり、連携先や利用者さんに迷惑をかける。
→結果、多方面からの信頼を失う

と、散々な目に合います。

2. 「連携機関から医療・介護両面でサポーター的役割を期待されている」

基本的に在宅での訪問調整はケアマネージャーの役割です。

しかし、状態悪化時やADLが低下した時には在宅サービスについて提案を求められます。

期待される提案、例えば・・・
例えばショートステイやデイサービス、ヘルパー、訪問入浴の増回や導入の提案
訪問診療の導入や緊急での往診の提案

提案を求められるような事例では、対等な相談相手としての役割が求められます。

「訪問看護師さんはどう思う?」「どうすればいいのかな?」と投げかけられることも多いです。

訪問看護以外のサービスも、保険制度を基に動いているため相談事に対応するためにも保険制度への理解は必須です。

事前に学習しておくメリット

事前に学習しておくメリットは?
・知識習得の効率が上がる
・訪問回数調整の根拠がわかる
・自己学習の時間を他の項目に回すことができる

見学期間で、経験と知識が結びつく

入職してすぐの期間(1~2ヶ月程度)は、先輩看護師に同行して訪問を回る事が多いです。

この時には、ケアを学ぶのはもちろん、多職種との連携についても注目しておくべきです!

見学中は他職種連携の様子を、客観的に学ぶ事のできる数少ない機会だからです。

何を、誰に、何で、いつ、どのように連絡しているのかを学ぶことで「急いで連絡と調整を行うべき事」「後からの報告で良い事」の境界が判断できるようになってきます。

多職種連携の際、背景に保険制度の知識があるのとないのとでは、理解の進み方が全然違います。

連携見学の注目ポイント5W1H

Who(だれに)  →ケアマネ、クリニック(事務か医師か看護師か)、ヘルパー、家族
When(いつ)   →訪問中、訪問後、当日中、後日
Where(どこで) →訪問先、車の中、事務所
What(なにを)  →保険の種類、状態の変化(悪化、改善、維持)、要望、スケジュール調整
Why(なぜ)   →情報共有、相談、報告、指示
How(どのように)→電話、メール、FAX、チャットツール

訪問調整の理解が早まる

訪問先であなたが先頭に立ち、迅速なサービスを調整しなければいけない事態は必ず起こります。

断言します。必ずです。

そしてサービスの調整を行うには、ほぼ100%確実に保険制度の理解が必要なります。

高度な調整が必要とされる場合。新入職の方は身動きが取れなくなってしまう事が多いです。

新入職の訪問看護師が訪問調整を苦手とする理由

・訪問看護の頻度や回数制限の根拠がわからない
・活用できる福祉サービスが理解できていない。       
→ケアマネや医師に提案できない。答えられない。
・活用できる在宅サービスの種類を把握できていない

この時確実な知識があれば、制度上の制約に注意しながらスケジュールを調整する事ができます。

訪問調整の根拠がわかる事によって、連携に対する恐怖心がなくなり、自信を持って行動する事ができるようになります。

自己学習の時間を回すことができる

転職直後に絶対勉強すべき項目は、大きく分けて2つに別れます。

転職後に絶対勉強する項目

1.患者さんor利用者さんの疾患、それに伴うケア
2.医療保険&介護保険の詳細

「精神や小児、各科のターミナル、指定難病、特殊な治療・処置・ケア」など疾患の勉強は、利用者さんの生活に関わる分野になるため非常に優先度の高い勉強です。

しかし、その分制度面の勉強に割く時間も少なくなり、制度の知識については習得が遅れる傾向にあります。

体系的に在宅医療制度を学習するのであれば、就職前が一番効率が良いと言えます。

訪問看護入職前に読むならこの一冊!!おすすめの教材

ほぼ全ての在宅医療関係者の事務所に、常備されている本だと思います。

ネット上には厚生労働省が保険制度について解説した資料などもありますが、体系的にわかりやすく学びたいのであれば、この本が一番だと思います。

オススメする理由
・噛み砕いた説明と、分かりやすいイラスト!
・診療報酬ごとに改定内容が更新。一冊で最新の情報が理解できる。
・看護以外の業種(在宅クリニック、訪問リハビリ)についても詳しく解説されている。

人気を裏付けるかのように、最新刊は中古でも大きな値下がりがありません。

定価3960円ですが、メルカリなどの中古販売でも3000円前後で出品されています。

購入するのであれば、Amazonや楽天などの通販サイトを利用するのがオススメです。在庫が確保されており、ポイント還元も優秀です。訪問看護に就職後も使える、オススメの1冊です!

訪問看護で予習すべき課題とメリットまとめ

事前に学習すべきトピックは、圧倒的に医療保険と介護保険!!

そもそも保険制度を知らなければ訪問調整すら行う事ができません。

逆に知識武装さえしてしまえば、連携業務の効率も格段に上昇する事間違いなしです。

ぜひ勉強して、訪問看護のスタートダッシュを切ってください!

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