病棟から訪問看護へ転職して1年経過!きついって本当?

目次

訪問看護はキツい?キツくない?

訪問看護への転職を考えた時。
不安材料として「仕事のきつさ」を上げる方がいらっしゃいます。
想像とのギャップや、業務の負担感、疲労具合は気になるポイントですよね。

看護師まる
看護師まる

しかし訪問看護は、本当にきついのでしょうか??

結論、きついのか?きつくないのか?

これはあくまで私の感想なのですが、1年間訪問看護を経験した上での結論は・・・

「病棟とは違ったきつさがある」です。

看護師まる
看護師まる

一方で
キツさを上回るほどの楽しさや
やりがいも訪問看護にはあります

今回は訪問看護に転職して感じた

  • 前職(病院・外来)と比較した『きつい』ポイント
  • それを上回る、訪問看護の楽しさ

この2点について、洗いざらい説明していきたいと思います!
訪問看護の魅力もキツさもしっかり伝わるように、本気で解説していきます。
この記事を見て訪問看護に興味を持つ方が一人でも増えたら、ひじょーに嬉しいです!!

きついポイント

1.訪問先では相談ができない

入職当初は他のスタッフに同行して訪問を行います。

最初は完全に見学のみです。しかし、3ヶ月もすれば(人によります)全ての訪問を一人で回るようになります。

一人でのケアには以下のようなストレスがあります。
・すぐに相談ができない。(携帯などで電話をかけることは可能)
・重介助の方でも、ケアを一人で実施しなければならない。
・家族の方とのコミュニケーションも必要になる。質問やご指摘を受ける事もある。
訪問看護師まる
訪問看護師まる

ケア物品の準備は同行スタッフが行ってくれていた事が多く、「ケア用品をどこから準備していたのかわからない・・」となる事があります。単独訪問前には、実際に処置に使う物品やケア用品を趣味レーションしておきましょう。

2.緊急時の対応も一人

外部機関との連携、医師との相談など、今まで話したことのない人ともスピーディーに情報共有することが求められます。この際、ほとんどのケースでは電話での報告となります。外部と連携をしている間に、ご家族様や本人が不安を募らせていることもあります。外部連携とともに家族への配慮も並行して実施しないといけません。

そんな状況の中でも正確に情報を伝達しなければならないので、慣れるまでには非常を緊張しました…

訪問看護師まる
訪問看護師まる

筆者はSBARに沿った報告文をスマホに記載してから、報告をしていました。相手の反応を聞き漏らさないように、復唱しながらスマホのメモに残すなど…いろいろツールを工夫して対応していました。

3.夜間待機の重圧

夜間待機中はいつ電話がかかってくるのかわかりません。そのため常に着信には、神経を尖らせています。場合によっては、一晩中電話がなり続ける事もあります。

電話を対応の場面で最も難しいのは、状態の把握と、今後のアクションの決定でしょう。

利用者さんやご家族さんは、電話での報告に慣れていない事が多いです。

パニックになっている場合もあり、訴えも支離滅裂になりがちです。

そのように状況の把握を行いにくい場面でも、出動の判断は個人の裁量に任せられます。

救急車か、出動か、傾聴のみか・・・。

正直な話この選択には正解がありません。

未来を予知する事ができるのであれば可能でしょうが、普通の訪問看護師には不可能です。

治療の選択を行う時には、ご家族さんや利用者さんの思いに寄り添った提案を行う事が求められます。

トラブルを避けるためにも悔いを残らせないためにも、利用者様本意の選択をしていただく事が必要です。

訪問看護師は常に、支える姿勢で関わる必要があると私は思います。声なき声をきく。ここは非常に難しい介入です。

訪問看護師まる
訪問看護師まる

夜間の電話対応で失敗を経験し、落ち込んでしまう方も多いです。多くの場合、責任は誰にも無いケースがほとんどです。しかし、必要以上に抱え込んでしまう事も…。

相談できないというプレッシャーは、入職前に思っていたよりも大きいものでした。

4.新しく必要になる知識が多い

入職後に勉強が必要となる知識は、大きく分けて2つになります。

チェックポイント

①多種多様な疾患

②介護・医療保険と福祉制度

①疾患

介入を必要とされる利用者様の疾患は、多岐に渡ります。内科から外科、精神科、婦人科、小児科まで。ほぼ全ての科を見ます。

新しい治療を開始した場合には、医師から報告を求められる場合があります。症状に合わせた薬剤処方の提案を求められる事もあります。

②制度

医療保険・介護保険・障害者制度・生活保護、いわゆる社会福祉制度一般に対する知識が求められます。

在宅で働いた事のある方や、退院調整を行っていた方なら、まだ馴染みはあるかもしれません。しかし、一般的な看護師は国試以来のお勉強となる事でしょう。制度の勉強は訪問看護を提供するのであれば、避けては通れない壁になります。

訪問看護の魅力

1.一対一でじっくりとケアを行う事ができる。

訪問時間に制限はありますが、病棟やクリニックと比べてじっくりと利用者さんに関わる事ができます。

ケアの最中に、他の業務が割り込んでくることはほとんどありません。

「もっと時間に余裕を持って患者さんと話したい。」

「流れ作業でケアをするのではなく、本人らしさを尊重したケアを行いたい。」

このような想いを持たれている方にとっては、ピッタリです。

訪問時間に制限があると言いましたが、時間の範囲内であればケアを自由に組み立てることが可能です。

2.キャリア形成になる

在宅医療は、まだまだ発展途上の業界です。

しかし、高齢化の影響や最近の医療介護政策の動向からも、今後診療の場が徐々に在宅へ移行していくことは確実と言えます。
そのため病院で働くにしても、クリニックであっても、今後在宅領域の知識は確実に必要になるはずです

訪問看護で得た知識は、病院で働く看護師にとっても今後の参考になると考えます。

在宅療養の実際を知っている事や、福祉関連機関と連携した知識は、転職後も大きな武器になるでしょう。

また、更なるキャリアアップを目指すことも可能です。

訪問看護で目指す目標は大きく3つに分類されると考えています。

チェックポイント

・ステーションの立ち上げ

・管理者

・認定、専門、NPなどの資格を保持したエキスパートプレイヤー

ステーションの立ち上げや、管理者の経験は、経歴上評価されやすいです。

しかし、プレイヤーとしての専門性を評価することは非常に難しいです。

理由として、プレイヤーの実力を客観的に評価する事が困難であると言う点が挙げられるでしょう。

訪問看護業界には、病院で利用されているラダー制度を導入している場所が少ないです。導入されていたとしても、会社や事業所によって内容が異なり、同じ視点で実力を評価する事は困難となります。

そこで管理者としてのキャリアに興味のない方にお勧めしたいのが、認定や専門、NP、特定行為です。

これらの肩書があれば、そこを入り口に上司や他社も評価を行いやすくなります。

プレイヤーとしての実力を、わかりやすく外部に知らせたいのであれば、これらの資格取得もオススメです。

3.自分のケアで様々な方を笑顔にできる。

訪問看護を依頼してくださる利用者さんは、「看護がないと、生活ができないくらいの状態」である事がほとんどです。

気持ちも体も苦痛な状態ではあるが、それでも家で過ごしたい。

そんな利用者様の思いを支えるために、在宅では地域のコミュニティを含めた多くの人が力を合わせています。

訪問看護では地域全体と共にそこへ介入し、なるべく元の生活に戻れるような関わりを行います。

看護ケアとしての関わりが、利用者様の気持ちを変えて生活が好転し始める事もあります。

その際、利用者様や家族だけでなく関わった全ての人が幸せな気持ちになれます。

自分が行ったケアの「広がり」を実感し、多くの方と喜びを共有できるのも在宅の楽しさだと思います。

訪問看護はつらい!けど、楽しい!!

今回は訪問看護の辛さと、楽しさにフォーカスを当てて解説を行いました。

どうでしたでしょうか?

確かに訪問看護は業務としてつらいところもたくさんあります。

病棟では当たり前にできていた手技も、手間取うこともあります。

少ない情報の中から、的確なアドバイスを求められる事もあります。正直日々プレッシャーとの戦いです。

しかし、それを置いてあまりあるほど訪問看護の業界は楽しいしやりがいがあると私は感じています。

私としてはめちゃくちゃお勧めしたい業種なのですが、あくまでこれは個人の見解です。

一度立ち止まって、ご自分の働き方やライフスタイルに、落とし込んでみていただくことをお勧めします。

悔いのない転職ライフをお祈り申し上げています!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次
閉じる